贈与税の配偶者控除
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更新日: 2019/11/08
贈与税については、様々な特例が設けられておりますが、今回は贈与税の配偶者控除について説明させて頂きます。
1.制度の概要
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円に加えて最高2,000万円まで非課税になるという特例です。
なお、この贈与は相続開始前3年以内の贈与であっても、相続税における生前贈与加算の対象となりません。
2.適用要件
(1)夫婦の婚姻期間が20年を経過した後に贈与が行われたこと
(2)配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること
3.対象となる居住用不動産の範囲
居住用不動産は、贈与を受けた配偶者が居住するための国内の家屋又はその家屋の敷地(借地権を含む)です。
なお、居住用家屋とその敷地は一括して贈与を受ける必要はありません。
したがって、居住用家屋のみあるいは居住用家屋の敷地のみ贈与を受けた場合も配偶者控除を適用できます。この居住用家屋の敷地のみの贈与について配偶者控除を適用する場合には、夫又は妻若しくは贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用家屋を所有していることが必要です。
4.適用を受けるための手続き
この特例を受けるためには、居住用不動産の登記事項証明書その他の書類で贈与を受けた者がその居住用不動産を取得したことが分かるもの等、一定の書類を添付して、贈与税の申告をする必要があります。
5.留意点
居住用不動産を贈与した場合、登記名義の変更に伴い、以下の税金が課税されますので、留意が必要です。
(1)登録免許税:原則として、その不動産の固定資産税評価額の2%
(2)不動産取得税:原則として、その不動産の固定資産税評価額の3%(一定の要件を満たした場合、軽減措置の適用があります)
2,000万円の非課税と聞くと、とても有利な制度と思われがちですが、相続で移転した場合に比べて高い登録免許税等が課税されることや相続税の特例措置(配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例等)を考慮すると相続税対策にはなりにくいことが多いですので、適用にあたっては、幅広い観点からの検証が必要であると考えます。
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ご相談時にご用意頂きたい資料
- ・記帳済みの通帳
(相続発生日の残高証明書を入手済みで あれば、残高証明書) - ・固定資産税の賦課決定通知書
- ・生命保険金の保険証書
(保険手続きが完了されている場合は、保険金支払通知書)