住宅取得等資金の贈与税の非課税制度
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更新日: 2019/11/15
マイホームを取得する際に、ご両親等から一部の資金を出していただくという方も多いかと思われます。
今回はそのような場合に利用できる住宅取得資金の贈与税の非課税制度について説明させて頂きます。
1.制度の概要
父母や祖父母からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得資金」)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、非課税限度額のまでの金額について、贈与税が非課税となります。
なお、この非課税となった金額については相続開始前3年以内の贈与であっても、相続税における生前贈与加算の対象となりません。
2.非課税限度額
非課税限度額は、次の(1)又は(2)の通り、新築等をする住宅用の家屋の種類ごとに、受贈者が最初に非課税の適用を受けようとする住宅用の家屋の新築等に係る契約の締結日に応じた金額となります。
(1) 住宅用家屋(省エネ等住宅)の新築等に係る対価に含まれる消費税等の税率が10%である場合
① 平成31年4月1日~令和2年3月31日(契約締結日):3,000万円(省エネ等住宅以外:2,500万円)
② 令和2年4月1日~令和3年3月31日(契約締結日):1,500万円(省エネ等住宅以外:1,000万円)
③ 令和3年4月1日~令和3年12月31日(契約締結日):1,200万円(省エネ等住宅以外:700万円)
(2) 上記(1)以外の場合
① ~平成27年12月31日(契約締結日):1,500万円(省エネ等住宅以外:1,000万円)
② 平成28年1月1日~令和2年3月31日(契約締結日):1,200万円(省エネ等住宅以外:700万円)
③ 令和2年4月1日~令和3年3月31日(契約締結日):1,000万円(省エネ等住宅以外:500万円)
④ 令和3年4月1日~令和3年12月31日(契約締結日):800万円(省エネ等住宅以外:300万円)
3.受贈者の主な要件
(1) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(子又は孫)であること
(2) 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること
(3) 贈与を受けた年の年分の所得税の合計所得金額が2,000万円以下であること
(4) 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得資金の非課税」の適用を受けたことがないこと
(5) 不動産の取得新築等の相手が親などの特殊関係者でないこと
(6) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること
(7) 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日以後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること
4.住宅用家屋の新築、取得又は増改築等の主な要件
「住宅用の家屋の新築」にはその敷地の用に供される土地等の取得を含みます。また、「住宅用の家屋の取得又は増改築等」にはその敷地の用に供される土地等の取得を含みます。
(1) 新築又は取得の場合
① 建物の登記床面積が50㎡以上240㎡以下であること
② 中古住宅の場合は建物の築年数が、マンション等耐火建築物なら25年、木造等耐火建築物以外なら20年以内であること
(2) 増改築等の場合
① 増築後の建物の登記床面積が50㎡以上240㎡以下であること
② 工事費用の額が100万円以上であること
5.適用を受けるための手続き
この特例を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に非課税の特例を受ける旨を記載した贈与税の申告書に、戸籍の謄本等一定の書類を添付して、贈与税の申告をする必要があります。
住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は最大3,000万円が非課税となるメリットのある制度ですが、贈与の翌年3月15日までに住宅を取得し、居住するなど様々な要件があります。
要件を満たせなかった場合には、多額の贈与税が発生する場合がありますので、特例を適用する際には、贈与のタイミング等事前に十分検討する必要があります。
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- ・記帳済みの通帳
(相続発生日の残高証明書を入手済みで あれば、残高証明書) - ・固定資産税の賦課決定通知書
- ・生命保険金の保険証書
(保険手続きが完了されている場合は、保険金支払通知書)