令和2年税制改正大綱(速報)
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更新日: 2019/12/13
昨日の12月12日に税制改正大綱が公表されましたので、個人的に気になる項目について、取り纏めさせて頂きます。
1.国外財産調書制度の見直し
現在の国外財産調書制度は、海外に合わせて5000万円を超える資産がある納税者を対象に、海外資産をどれくらい保有しているか毎年まとめて税務署に提出するよう義務づけています。
今回の改正では、同じように計5000万円超の海外資産を持つ居住者を対象に、資産の取引実態が分かる入出金記録や帳簿の保管を求めています。保管は義務ではありませんが、税務調査で提出を求められ、提出期限までに関連資料を提出しない場合、調書に記載してある国外財産の分への追加課税は10%となります(従前は5%)。
また、そもそも調書を提出していなかったり、提出しても記載がなかった場合は15%の追加課税となり、関連資料も提出しない場合の追加課税は20%となります。
2.国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例
個人が、令和3年以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上、国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、所得税に関する法定の規定の適用については、生じなかったものとみなされます。
3.居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度の適正化
住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産に該当する者(「居住用賃貸建物」)の課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用を認めないこととなります。
ただし、居住用賃貸建物のうち、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分については、引き続き仕入税額控除制度の対象となります。
1については、近年富裕層の所得税の申告が漏れが増加しており、今回の改正により、納税者の情報開示を促し、的確な事実認定に基づいた財産把握と徴税制度を整えることを目的としています。
また、2・3については、今回の改正により、国外中古不動産を用いた節税スキームや、金取引を利用した居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の還付スキームに規制の網がかかることになります。
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